モノカキさんに都々逸五十五のお題
 <読み仮名&注釈無し>
お題 ─ <読み仮名&注釈有り>
<解説・利用規約>




一 

二 

三 

四 

五 

六 

七 

八 

九 

十 

十一 

十二 

十三 

十四 

十五 

十六 

十七 

十八 

十九 

二十 

二十一 

二十二 

二十三 

二十四 

二十五 

二十六 

二十七 

二十八 

二十九 

三十 

三十一 

三十ニ 

三十三 

三十四 

三十五 

三十六 

三十七 

三十八 

三十九 

四十 

四十一 

四十ニ 

四十三 

四十四 

四十五 

四十六 

四十七 

四十八 

四十九 

五十 

五十一 

五十二 

五十三 

五十四 

五十五 

諦めましたよ どう諦めた 諦められぬと諦めた

あの方恋しや この方愛し 恋と愛とはちがうもの

あの人の どこがいいかと尋ねる人に どこが悪いと問い返す

異見聞く時ゃ頭を下げな 下げりゃ異見が上を越す

一寸も はなれまいぞと思うた仲は 主も五分ならわしも五分

嫌なお方の親切よりも 好いたお方の無理がよい

色じゃないぞえただ何となく 逢ってみたいは惚れたのか

歌は何う読む 心のいとを 声と言葉で 綾に織る

団扇づかいもお客によりて あおり出すのと招くのと

梅もきらいよ桜もいやよ ももとももとの間が良い

逢うた夢みて笑うてさめる あたり見まわし涙ぐむ

岡惚れ三年 本惚れ三月 思い遂げたは三分間

お酒飲む人しんから可愛い 飲んでくだまきゃなお可愛い

おまえの心と氷室の雪は いつか世に出てとけるだろ

表向きでは切れたと言えど 蔭でつながる蓮の糸

思う程 思うまいかと離れて居れば 愚痴な様だが腹が立つ

面白いときゃお前とふたり 苦労するときゃわしゃひとり

思い出すよじゃ惚れよがうすい 思い出さずに忘れずに

及ばぬ恋よと捨ててはみたが 岩に立つ矢もある習い

顔見りゃ苦労を忘れるような 人がありゃこそ苦労する

可愛いお方に謎かけられて 解かざなるまい 繻子の帯

君は野に咲くあざみの花よ 見ればやさしや寄れば刺す

口に謡うて 声にて聴かせ 心動かす 歌が歌

戀という字を分析すれば いとしいとしと言う心

恋に焦がれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす

小唄都々逸なんでもできて お約束だけ出来ぬ人

この雪に よく来たものと 互いに積もる 思いの深さを 差してみる

これほど惚れたる素振りをするに あんな悟りの悪い人

酒は飲みとげ浮気をしとげ 儘に長生きしとげたい

察しておくれよ 花ならつぼみ 咲かぬところに味がある

三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい

すねてかたよる蒲団のはずれ 惚れた方から機嫌とる

船頭殺すに刃物はいらぬ 雨の十日も降ればよい

たったひとこと言わせておくれ あとでぶつともころすとも

立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花

たんと売れても売れない日でも 同じ機嫌の風車

力強ても叶わぬものは 場所の勝負と恋の闇

つねりゃ紫喰いつきゃ紅よ 色で固めたこのからだ

どうせ互いの身は錆び刀 切るに切られぬくされ縁

泣いた拍子に覚めたが悔しい 夢と知ったら泣かぬのに

泣くもじれるも ふさぐもお前 機嫌なおすも またおまえ

主はいまごろ醒めてか寝てか 思いだしてか忘れてか

寝てもさめても忘れぬ君を 焦がれ死なぬは異なものよ

寝ればつんつん 座れば無心 立てば後ろで舌を出す

花は散りぎわ 男は度胸 いのち一つはすてどころ

腹が立つならどうなとさんせ 主にまかせたこのからだ

ふてて背中をあわしてみたが 主にゃかなわぬ根くらべ

古疵へ さわりたくない互いの無口 早く酔いたい久し振り

星の数ほど男はあれど 月と見るのは主ばかり

惚れて惚れられなお惚れ増して これより惚れよがあるものか

惚れた証拠にゃお前の癖が いつか私のくせになる

文字で口説いて 気持ちで惚れて 姿に見とれて 身に溺れ

横に寝かせて枕をさせて 指で楽しむ琴の糸

論はないぞえ惚れたが負けよ どんな無理でも言わしゃんせ

わたしゃお前に火事場の纏 振られながらも熱くなる



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